ニュージーランドに住んでいる友人と数年ぶりに再会し、またあの頃の懐かしい風景を思い出しました。
白く長い雲、コロニアルスタイルの家々、デボンポートからの街並みは美しく、90マイルビーチやワイポウアフォレストの壮大な自然。地球上のすべての自然を見ることができる小さな地球と誰かが言っていたのも何だかわかるような気がします。
アクセサリーを作ること、身につけることは、まさに自然を加工し、小さな地球を身につけることに他なりません。
ゆっくりゆっくり素材と向き合いながら、自然ともの、ものと人を繋げていく作業。自然と人との関わりが変わると、装身具のあり方だって変わる。そう考えるとものすごく壮大な世界に踏み入ったような気がします。
世界はどんどん複雑になり、疎外感や不安だって募る毎日。そんな時は、あの頃の雄大な自然やフレンドリーなキーウィ(ニュージーランド人)たちを思い出すようにしています。
南半球の楽園は私に忘れかけた幸せを感じさせてくれます。
CONCEPT
Sandringhamは、無頓着なキーウィの着こなしに憧れた私が、これでいいと思える大ぶりペンダントをコンセプトにしたブランドです。勤め先でもラフな格好で気にならない。パケハやマオリ、アジア系だって多く住まうニュージーランドでは、性別なんて関係なくみんな平等。シルバー世代も、体型や老化を気にせずに流行りの水着を着て泳ぐ姿には元気をもらいました。私にとって当時のニュージーランドは、まさに一視同仁の世界。
遊んでばかりで、語学もろくに学びませんでしたが、遊んで暮らしたからこそ知れたさまざまな異文化ファッション。エスニックな模様。無駄ではなかったと思います。
金(太陽)、白(太陽の下明るい世界)、黒(世界が生まれる前の暗黒)からなる民族カラーはその時に見たもの。
これらをペンダントに落とし込み、“誰もが同じ太陽の下、輝ける為のジュエリー”でありたいと思いながら制作しています。